高速油圧ベンチプレス
通常の油圧シリンダーではヘッド部の径が大きくなるほど、同じ圧力でも大きな加圧力を得られますが、速度が犠牲になります。
小径で高圧力を使用すると大きな加圧力と速度が得られますが、シリンダーと配管、継ぎ手の強度が必要になるうえ、ロングストロークでは座屈の心配があるので、安全性を考えると避けたいものです。しかしながら近年では生産性向上と、作業者の安全確保の観点からワークの投入や取出しを産業用ロボットで行うことも多く、作業性向上のため金型の大型化、型開きの拡大が進んでいます。
そのため、シリンダーはロングストロークを求められるのですが、その分1サイクル当たりの時間(プレスサイクルタイム)が長くなり、生産性の低下が起こるという矛盾した事態が起きます。
これらの事態に対応するため考案されたのがキッカーシリンダーの使用です。
製品の加工を行うためのメインシリンダのほか、金型が実際に加工する位置まで高速で下降するための小径シリンダー(キッカーシリンダー)を追加し、サイクルタイムの短縮を図ったシステムなのですが、シリンダーの数が増えるためプレスが大型化する傾向にあります。
KOEI製高速油圧シリンダーはメインシリンダ内にキッカー機構を内蔵することで、サイクルタイムの短縮と、省スペース化を両立しています。
ベンチ(作業台)に乗るほどコンパクトで、KOEI製高速油圧シリンダーを標準装備しているので高速油圧ベンチプレスと呼んでいます。
詳しく知りたい方
特徵
- 下死点位置決めメカニカルストッパー付。
- アプローチ時間の短縮ができます。
(高速アプローチ・低速加圧の2段モーション) - ワークの厚さのバラツキに関係なく、一定の加圧ができます。
- 安全ブロック、両手操作ボタン、二度打ち再起動防止回路等の取付により安全への配慮をしております。
- ワンタッチ位置決め機構・広いテーブルと、大きなフトコロで作業性は抜群で加工ミスの減少がはかれます
- 複合シリンダ・可変ポンプによる省エネタイプです。
- 加圧が衝撃的でないため、金型の寿命が永くなります。
- 油圧ユニット内蔵式のため、省スペース、コンパクト設計です。
- 200Vの電源に差し込むだけですぐに稼働します。
- 稼働が手動、自動ライン・装置への組み込み・脱却が容易です。
- エアープレスと異なりミストが全く出ない衛生的なマシンです。
用途
カシメ | ワイヤ・ケーブル類の金具付け、モーターコア、マグネットコア、リビット、シャフト、ピン、フタ・カバー類、パイプ、他 |
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打抜キ・切断 | 半導体(タイバーカット)、金属・樹脂板、シート、フィルム、パイプ、他 |
圧入 | ライナー、ベアリング、ギヤー、ブッシュ、他 |
トリミング | ダイカスト品、他 |
打刻(刻印) | ナンバーリング・マーキング、他 |
曲ゲ | 板金、板バネ、半導体(フォーミング)、パイプ、他 |
エンボス(絞り) | 金属板、皮、紙、他 |
型締め(加圧保持) | 成型、他 |
標準C型 KOEI-BENCHI PRESS仕様表
仕様/型式 | KPH-3M | KPH-5M | KPH-10M | KPH-15M | KPH-25M | KPH-35M | |
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加圧力 | 1.5~3 | 2.5~5 | 4~10 | 7~15 | 10~25 | 15~35 | |
オープンハイト(mm) | 250 | 250 | 350 | 350 | 400 | 400 | |
シャットハイト(mm) | 100 | 100 | 150 | 150 | 200 | 200 | |
リーチ(mm) | 180 | 180 | 250 | 250 | 250 | 250 | |
モーター(Kw) | 0.75 | 1.5 | 2.2 | 3.7 | 3.7 | 5.5 | |
使用電源 | 動力AC200V/操作回路AC100V(トランス内蔵) | ||||||
ラモストローク(mm) | 150 | 150 | 200 | 200 | 200 | 200 | |
ラム下降速度 | アプローチ時 (mm/sec) |
310 | 400 | 380 | 380 | 195 | 195 |
加圧時 (mm/sec) |
35 | 45 | 29 | 29 | 16 | 16 | |
ラム上昇速度 (mm/sec) |
290 | 380 | 290 | 290 | 245 | 245 | |
タンク容量(L) | 30 | 30 | 55 | 55 | 65 | 65 | |
テーブル高さ (mm) |
250 | 250 | 300 | 300 | 455 | 455 | |
高さ(H)×幅(W) ×奥行(D)(mm) |
1400×560×960 | 1400×560×960 | 1700×600×1210 | 1700×600×1210 | 2200×740×1240 | 2200×740×1250 | |
機械重量(Kg) | 370 | 400 | 700 | 750 | 1400 | 1500 |
予告なく改良のため仕様変更することがあります。
高速油圧サーボプレス
KOEI製高速油圧シリンダーの利点を生かしつつ、サーボモーターを使用することで加圧力・加圧位置の自由な設定が可能に。
加工条件の割り出しや停止精度0.02mmの高精度な位置決め、その他特殊な動きのパターンを設定でき、切り替えも容易なため多品種小ロットや研究開発に最適です。
電動サーボプレス
ボールネジとサーボモーターを使用した機械式プレスです。
高精度の位置決めと加圧力の設定が可能で、静音性に優れています。
作動油を使用しないので油漏れの心配がなく、油を嫌う環境や
クリーンルーム等でご使用いただけます。
高速油圧トリミングプレス
省スペース、高出力を実現したKOEI製高速シリンダーの利点はそのままに、ダイカストトリミングに特化した四柱式プレス。
四本の柱をガイドにするため偏荷重に強く、ワークの形状を選びません。
また、四方からプレスにアクセスできるためレイアウトの自由度が高く、ラインに導入しやすいのが特徴です。
ロードセルやダイクッションの装備、ボルスタをスライド・反転させるタイプ等オプションもあり、産業用ロボットやコンベヤとの組み合わせにおすすめです。